星空キャンプ前半のレポートは、コチラ

 

後半のこの記事ではワークショップとその他の様子をお届けします。

 

【ワークショップ】

いつもと違う自分で、①揺れ動く家族の気持ちと②多職種連携を理解しよう!

 

国保病院の郡山先生のファシリテーションのもと、クロストレーニングという手法を使って、普段の自分とは違う役になって患者さんとご家族の心の動きや、他の職種を理解するグループワークをしました。

 

WHOによると、現代は「複雑問題が増える一方で、医学の専門分化による排他性が進むことで、社会のニーズと医療サービスが合致しなくなってきている」と言われています。

 

意識して知ろうとしなければ、自分以外の専門職の役割や視点は見えづらく、そのことが”多職種連携”を難しくしている一因になっているのではないでしょうか。

 

 このワークショップであらかじめ設定していたシーンは2つ。1つは、ガンの告知を受けた日の晩御飯の食卓と、もう1つは、その患者が入院治療が落ち着いて退院する際の専門職の退院支援カンファレンスです。それぞれ役を決めて、セリフや感じたことを出し合いました。

 

家族の食卓のシーンでは、みんなに迷惑をかけないようにと自分からは相談しない患者と、聞きたいのに聞けない家族の雰囲気を感じ取ったと気づきをシェアしてくださった人もいました。

 

退院支援カンファレンスでは、普段と違う役職になることでその職種の視点や役割を理解した方もおり、改めて、いろいろな背景や思いを持つ患者さんとそのご家族にとって最良のサービスを提供するためには、様々な職種が連携することや、他の職種(人)の立場で考えることの重要性を学んだようでした。

 

「地域診断ワークショップ@本別町」 

町を知るためのレクチャー

地域診断ワークショップにつながる量的データ(本別町の概要、地理、人口構成、介護保険での圏域、高齢化率、地域のイベントや、医療・福祉の状況、住民の健康課題や町のSOSネットワークなど)について、飯山所長より説明いただきました。

早期から認知症の啓発を取り組んでいた本別町は「ものわすれ散歩」のできる町としても有名で、近くの住民やスーパーの店員、郵便局員の方々みんなで見守る体制ができていて、実際に行方不明になる方はほとんどいないそうです。

 

実際に自分たちの足を動かして町を見てまわる

次にチームに分かれ、住民の方々にインタビューをしたり、町の歴史や産業、住民の居住の背景、住民の価値観、医療・介護の資源や 交通手段などの情報を集めました。

地域診断は「課題の発見」と「解決策の提示」がセットで、地域住民が何を考え何を欲しているのか、それを解決するにはどうしたらいいかという視点が大切です。

 

同じ町でも地区によって人々の住民性が違っていたり、物理的なハードルで地区を超えた交流が少なくなってしまうこと、広大な畑や酪農家の様子を実際に目で見て、そこに住まう人々の暮らしや健康に対する意識や取り組みをそれぞれのチームが持ち帰りました。

フィールドワークの後は、チームごとにまとめの発表を行いました。

解決策としてのアイディアには、子供会の復活や、若者と高齢者の多世代交流の機会を作る、町のイベント運営に高校生を巻き込む、若者の移住を促すなど、斬新で具体的なものもたくさんあり、地元の方も講師の先生方も感心していました。

 

地域を見るときに、人口、面積、医療機関数、疾病構造のような定量的な数字だけでなく、自分の目で直接見聞きし体験することの重要性を実感したようでした。

 

 

 

山中劇場第1部臨床推論、第2部ーこれからの地域医療

 

某放送局の人気医療番組でもお馴染みの総合診療医・山中先生からは、診療の極意を講義いただきました。

山中先生
山中先生
患者さんとの最初の1分間で、心をぎゅっと掴むことが大切。

「傾聴すること」と「共感すること」を強く意識し、患者さんに会った瞬間に、すごく優しくする。

特におばあちゃんだと効果抜群です(笑)。


 

講義では、参加者が患者役となり、山中先生の診断場面を披露いただきました。ライブでの臨床推論に、医学生らも目を輝かせながら身を乗り出して参加していました。患者さんとのやり取りから、それぞれが大切なエッセンスを受け取ったようでありました。

 

続いて、総合診療を極め地域医療の実践しつづける山中先生から、これからの地域医療についてお話しいただきました。

 

AIにより医療業界はどう変わるのでしょう。ペッパーくんのようなロボットが攻める問診をしたり、ガイドラインに即した治療ができるようになるかもしれません。しかし、患者さんの背景や置かれている状況を聞いて判断できるのは、やはり人間の仕事になるのではないでしょうか。

 

そして、医療人の働き方についても変化していくだろうと先生は予想しました。以前は休みなしに休日も夜間も緊急の呼び出しに全力で応え、医師の家族もそれを容認していましたが、現在はそれも変わりつつあります。アメリカの医師が7日間働いて7日間休む働き方を例に出し、二拠点居住や遠隔リモートワーク、ワークシェアリングなど、多様性のある働き方を実現する未来を見据えていました。

 

【その他交流編】

BBQ、キャンドルファイア&キャリアカフェ

 

 

 本別町の高橋町長も交えてのBBQ。地域診断ワークショップにつながる量的なこともお話いただきながらの楽しい会となりました。

 

キャンドルファイアはあいにくの雨のため室内での開催になりました。キャンドルに灯された部屋の中で、夢を語ったり、講師陣のルーツや思いを聞くことができて、その場にいる全員にとって至極の時間となりました。

 

クロージングトーク【自由でありながら社会とつながるために鎌田先生

 

 

 

クロージングトークで鎌田先生は、自分がスペシャリストとして活躍する上で、自分だけではできないことを知ることの重要性を語りました。

 

他職種連携ワークショップでも出ましたが、医療が専門化細分化されることにより排他的になりがちなところを、高齢男性の社会的フレイルと重ねて、どう予防していくか、社会とつながり続けていくかが大切だと説きました。

 

私たちは一人一人が自由であり、自分の人生の主人公は自分です。忙しい状況に置かれていたり、人とのつながりが分断されると、そのことを忘れてしまうこともあります。他者からやらされているのではなく、自分で選択して決定をしていくこと。何を学ぶかも住む場所も、私たちは選べるのです。

 

 

 

鎌田先生
鎌田先生
人間(ホモサピエンス)とは、”愛する生き物”である。モノ、土地、子供、生き物、異性、人、お年寄り、、、対象が何であれ、私たちはそういう生き物であることを忘れずにいたいね。

 

ハーベストワーク

キャンプの締め括りに今回の学びを振り返りながら、新しい一歩につなげていくためのハーベスト(収穫)を行いました。キャンプ中の写真や、リフレクションボードなどを二人一組で見ながら、学びや気づきを話し合いました。お互いの気づきをシェアすることで、新たな視点に気が付づくこともありました。

最後に、自分の職場や学校に帰った後のそれぞれの第一歩を全体で共有し、星空キャンプは無事に終了いたしました。 



参加者の感想

参加者
参加者
心に刻まれた言葉は、鎌田先生の“変態と移動”“出会い変わり続ける”です。
50半ばで第2の人生動き出すエネルギーをもらえました。

 

楽しい、考えが広がる、若返る、生き返る、主体的に動くことが楽しくなりました。



       

【星空キャンプ2018】開催要項

主催   :一般社団法人地域包括ケア研究所、北海道中川郡本別町

開催日  :2018年7月6日(金)~7月8日(日)

開催場所 :北海道本別町 美里別地区公民館(メイン会場)

参加者  :医学生・看護学生、医師、保健師、看護師、社会福祉士等 (外部参加者26名)

 

【編集後記】

レポートはいかがだったでしょうか?

星空キャンプの様子が少しでも伝わると嬉しいですし、研究所のつながりを通して出会った人たちがオンラインでも繋がる場をつくりたいと構想を練っています。

2019年度の星空キャンプも8月の上旬に北海道で開催します。詳細の概要にリンクします。